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妖怪と歩く ドキュメント・水木しげる

大ヒット作『ゲゲゲの鬼太郎』を描いた漫画家。ラバウル島の戦闘で負傷し、隻腕となった水木上等兵。意外にも別荘評論家の水木さん。アシスタントや一族を養う経営者。世界中の妖怪を研究したいと情熱を迸らせる大正生まれ。「水木しげるという人はいつどこにいても自分の心を楽しませるものを即座に見つけだすことができる、だから幸せ」。アメリカへ、故郷・境港へ、パプアニューギニアへ、二年間の密着取材で、手塚治虫と並ぶ巨匠の実像を描く傑作ノンフィクション!

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「私の伝記を書く? 一、二年じゃ無理です。五年は必要です。ワハハハ」と初対面の水木しげるにのっけから言われたノンフィクションライターはそれでも1992年10月から1994年7月のラバウルへの同行まで2年もの間、水木しげるに伴走し、彼と深い関わりをもった人物たちへの取材を重ねた。すでに数多くの自伝をもつ「水木しげる」について書こうという意図を著者の足立倫行は「どこへでも同行し、その言動を書き留め、自分なりの考察を加えて、魅力的ではあるが正体のよくわからない妖怪のような人物の実像に迫まりたい」としている。一時期仕事を手伝うなどの関係のあったつげ義春やアシスタント時代のある池上遼一の回顧談と、逆に彼らについての水木談の交錯は、著者の考察を含めてノンフィクション作品の面白さを感じさせてくれる。水木自身の手による自伝を読み込んだ筆者がそこでは一言ですまされてしまっている奥さんとの結婚について問いただし、調べ尽くしていくなど、水木しげるを知る上で欠かすことのできない書だ。(2009/10/9)
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