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「無法」中国との戦い方 日本が学ぶべきアメリカの最新「対中戦略」

アメリカはここまで”敵”を研究している常軌を逸した中国の無法ぶりに、日本はどう対すればよいのか。尖閣諸島の国有化を機に、日中関係は戦後最悪ともいえる状態になっている。そのため、現在すでに多くの中国関連書や尖閣問題の解説書が出ているが、現実問題として、アメリカ政府および米軍が中国とどう対峙しようとしているのかを学ばずして、日本の対中戦略は語れない。領土拡大のためには国際ルールを公然と無視し、すぐに軍事力を振りかざす。反日デモでの蛮行も、「愛国無罪」で許される……。そんな無法国家の恫喝に気圧されるように、日本の政治家やマスコミの間では、尖閣問題での日本側の「譲歩」論まで飛び交っている。だが、中国と正対するアメリカは違う。軍事から経済まで含めたそのシビアな対中戦略は、日本の“弱腰”に警戒を呼びかける--。日米中に精通する屈指の在米ジャーナリストによる最新レポート。第一線で活躍する在米ジャーナリスト・産経新聞記者の古森義久氏による日中・米中関係を中心とした最新の論考をまとめた新書です。中国を追い詰め、黙らせるために、日本はアメリカのどんな戦略に学ぶべきなのか――古森氏はアメリカの政治家や軍事学者、シンクタンク研究者、ジャーナリストなど実に60人以上に取材して、その答えを探っていきます。他では絶対に読めないアメリカの対中戦略のシビアな現実が明かされます。

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香港メディアの取材を受けた鳩山由紀夫元首相が尖閣諸島問題について「中国から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と語ったという報道には驚きましたが、国際ジャーナリストとして名高い古森義久氏は、かねてから日本の外交姿勢に警鐘を鳴らしてきました。本書『「無法」中国との戦い方 日本が学ぶべきアメリカの最新「対中戦略」』はそうした古森記者の危惧をまとめた、問題提起の本です。本書冒頭の「はじめに」で古森記者は、中国との問題を考えるときに忘れてはならない大前提があると強調して、次のように書いています。〈共産党の一党独裁で結社の自由や集会の自由が厳しく抑圧される中国では、国民一般からの自由な自然発生のデモというのはありえない。政府当局が黙認、あるいは扇動しない限り、多数の人間が集まること自体が許されないからである。だから、中国での集会とかデモというのは、当局にとって水道の蛇口の操作に似ている。抗議の動きをどこまで許すかは、水道の蛇口から出す水の量を調節するのと同じなのだ。栓を開ければ開けるほど、水は勢いよく噴き出してくる。もうこれで十分となれば、蛇口を閉めればよいのである〉そう指摘したうえで、古森記者は実際に目撃した実例を紹介しています。〈私自身が目撃した実例は1999年5月の北京での反米デモだった。このデモは米軍機を主力とする北太平洋条約機構(NATO)軍機が当時のユーゴスラビアの首都ベオグラードの中国大使館を爆撃し、内部にいた中国人3人が死亡、20人ほどが重軽傷を負った事件への中国側の抗議だった。米国側は当初から一貫して誤爆だと弁解していた。事件から数日もすると、北京の米国大使館前には連日、抗議のデモ隊が押しかけるようになった。当時、産経新聞中国総局長として現地に駐在していた私も連日、米国大使館前に出かけ、現状を眺めた。このデモは完全に当局に管理されていた。デモ行進をして、米国大使館構内に石まで投げ込む当事者たちはみな北京内外の大学の学生たちだったが、全員がバスで動員されていた。大学ごとに現場近くにバスで運ばれてきた男女学生たちは、バスを降りて、隊列を組み、大使館前へと行進していく。その間、道路から石を拾って、大使館にぶつけるのだが、大使館の前には中国人警官が並んで立っていて、普通のサイズの石を投げることは黙認するが、そのサイズが一定以上に大きくなると、すぐ停止させるという手の込んだ「管理デモ」だった。なにからなにまで中国当局がシナリオを描いた抗議デモだったのだ。(中略) 中国当局とすれば、日本側に尖閣問題での譲歩をさせるため、そして中国側では反日の表明で愛国心と共産党政権支持を強くするため、大規模な反日デモの広がりも、効用があることになる〉「反日デモ」が吹き荒れたとの記事は大きなスペースをさいて報じられますが、それが当局によって管理されたものだったとすれば、その意味は大きく変わってきます。当然、中国との関わり方を戦略的に変えていく必要がある――というのが、中国の「日本叩き」政策が成功しつつあるとみる古森記者の主張です。本書で紹介されるアメリカの中国観は、私たちが考えてきた以上に冷徹です。
 中国の軍事戦略研究では米国でも有数の権威であるラリー・ウォーツェル氏(米中経済安保調査委員会委員)との、非常に興味深い一問一答も紹介されています。その要点は以下の通りです。〈中国はまず、自国の領有権の主張を強め、その立場を強硬にするために軍事力の行使を除くありとあらゆる手段を取るでしょう。つまり正面からの軍事攻撃、あるいは軍事対決を除くあらゆる圧力手段を取るということです。たとえば農業省傘下の漁政部門の漁業監視船、その他の当局艦船、一般漁船、活動家などを尖閣海域に送りこむことです。その一方で、人民解放軍の海軍艦艇に尖閣近くの海域を航行させるというような示威手段も継続するでしょう〉
〈(反日デモや暴動は)中国政府が仕切っており、止めようと思えば、いつでも止めることができます。その種の活動を政府が始めさせることも容易なわけです。今回も中国当局が明らかに日本に圧力をかけるために誘導して起こした現象で、政府がコントロールしたといえます。暴動にみえる暴力行動も当局が許容した範囲といえましょう〉
〈中国はいまのような方法で日本に圧力をかけ続けて、日本の政治システム内部にきしみを作り、自衛隊内部にもきしみを作り、日本に強固な政策を取らせないようにすることが狙いです。つまり尖閣の領有権について譲歩させようというわけです。日本の政治指導層は尖閣諸島領有権に関して断固たる態度を保ち、尖閣の統治を確実にしなければなりません。そのためには日米同盟を堅持し、国際規範を順守することに全力を挙げるべきです〉問題はこうした中国の無法な威嚇・示威行動が日本を揺さぶり、成果を挙げつつあるようにみえることです。先の鳩山発言などもそのひとつに数えられるでしょう。ウォーツェル氏の指摘する中国の行動はすべて、実際に進行している事態です。古森記者に対して、「中国人活動家100人が尖閣を占拠」という事態をあり得る予測として真剣な眼差しで語った米国の別の専門家もいたそうです。日本はどう対処すべきなのか。古森記者の警鐘に耳を傾けていただきたい。(2013/8/9)
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