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ブンナよ、木からおりてこい

原作者より…弱いカエルの世界にも、思いあがったのがいて、高い木へのぼってひと冬をすごす話を書いたのである。作品には、諸行無常がないではない。弱肉強食の虫やくもや、鳥やその他の動物の、喰われて死に、また生きかえってゆく思想が語られているはずだが、こういう仏教的なしめくくりも、大人の世界のことでむずかしいからという考えもあろう。が、私の体験では、これはむずかしい理屈ではないのだった。子供にきいてみたまえ。みなうなずいてくれよう。水上勉「テアトロ」1979年8月号より転載、一部編集脚色者より……木に登ったブンナが土にもぐって隠れていることを、小説では、すずめ、百舌、ねずみたちは最後までしらない。それを、戯曲では、すずめがそれをしっていることにした。そうすることによって、緊張感のあるドラマになる、ブンナはただのんびりと人の話を聞いて感慨にふけってばかりはいられない、上の連中は連中で、ブンナを犠牲にして自分が助かることができるかも知れないと考えると、死に直面した絶望が、のがれようとするあがきが、より鮮明になる。もう一つ、ガラスの箱にとらえられたブンナというのも、原作にはない。いきなり主人公を観客の前に提示する。そしてそのブンナの回想からはいる、そうすれば、判りやすく、そして劇の世界にはいっていくのに無理がない。小松幹生1981年6月本書<あとがき>より一部編集

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