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托卵

托卵と言う習性を持つ鳥・カッコー。その名を冠せられた、カッコーと呼ばれる民族がいた。彼らは昔から自分の国を持たず、少人数の集団を作って各地を巡り、芸を見せて日々の糧にする暮らしを送っている。そんな彼等が、金で産婆を買収して、次々と自分達の子を各家庭に送り込み、世界を支配しようとしていると言うのだ。それが本当なのか?証拠があるのかは、問われなかった…。ある殺人事件に関するカッコーたちへの疑惑を晴らそうとする修道士と、その事件を審理するリベラルな判事の養子を中心に展開する、差別の諸相。深い、…です!

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これは重い。とても重たいマンガです。オススメするのもどうなのかというくらい。

タイトルの「托卵」というのはカッコウという鳥の習性。「他種の鳥の卵の中に自分の卵をひとつ置いておき、他より早く孵ったその雛は他の卵を落とし、唯一の雛の立場となって餌をもらい成長し巣立っていく」というある種の「寄生」ともいえる習性です。

このマンガは、それにちなんで「カッコー」と呼ばれている架空の民族の話。農耕も宗教も持たず、定住を好まず流浪するカッコー。果たして彼らは「托卵」しているのか、いないのか。そしてその答えは本当に問われているのか。人の心に存在する「差別意識」の根源とは…。

著者のひさうちみちお氏は、そんなあまりに重すぎるテーマを独特の筆致で淡々と何の偏りもなく描いていきます。イラストレーターだけあって絵はさすがの丁寧さ。後半は政治・宗教・軍隊の思惑が中世(?)を舞台に入り乱れ暗躍する政治マンガとなっていき、一冊によくもこれだけの要素をつめられるなーと驚きます。最後は非常に微妙なところで終わってしまいますが…。

とても一冊とは思えない内容の濃さとなんともいえない読了感にうちのめされることでしょう…。心して読んでください。
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