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狂骨の夢 (2)

「あなたの夢こそ鍵になるでしょうね」。京極堂は刑事・木場とともに店の敷居を跨いだ降旗にそう言った。逗子湾に浮かぶ金色の髑髏、葉山の山中で起きた男女集団自決に絡まり縺れるようにして殺された老作家・宇多川。やはり犯人は朱美なのか?目撃された「復員服の男」とは何者なのか?謎は謎を呼ぶ百鬼夜行シリーズ第3作。

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狂骨の夢

 もう絶対絶対、私は榎木津さんと結婚するんだと思っていました。

 高校1年生の時でしょうか。よく本の貸し借りをする友人から「これ面白いよ!」と手渡されたのは、やけに分厚い1冊でした。タイトルは『姑獲鳥の夏』。恐ろしげな表紙と中身の想像できないタイトルにびくびくしつつ、ページを開くと、あとはもう一瞬です。な、な、なんて面白いものを貸してくれたの!!

 古書店店主で陰陽師(!)の「京極堂」こと中禅寺秋彦、その友人の小説家・関口巽と、かつてふたりの先輩だった「薔薇十字探偵社」の私立探偵・榎木津礼二郎……。きらきらしい魅力的な登場人物と、「憑物落し」で奇妙な事件を解決していくストーリーに夢中になりました。

「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」

 とうとうと流れていく京極堂の語りに読み入り、関口君の優しさに感じ入って、美男! 富豪! な榎木津さんのハイなおしゃべりに、もう夢中。次は? 次の話は?? と、必死に読み進めたのを覚えています。映画も観たなぁ……、京極堂役の堤真一さん、かっこよかったなぁ……。

 衝撃的な出会いをした「百鬼夜行シリーズ」、その3作目が『狂骨の夢』です。関口君の友人・ひょうひょうとし過ぎて「瓢箪鯰」と呼ばれている伊佐間一成が、道に迷い、女に助けられるところから始まります。耳にまとわりつく潮騒、殺人を告白する妖しげな美女、生き返る死体……。段々と明らかになり繋がっていく事件のキーワードは「髑髏」。ウッ、怖い、ウッ、でも面白い、アァ、でも「怖い」……、と悶えながら読みました。

『狂骨の夢』には、「邪法として貶められた」仏教の一流派が出てきます。それまであまり関心のなかった宗教というものが、ぐっと気になりだしたのはこの本を読んでから。人の心を動かす宗教とは、一生をかけて学ぶ教義とはいったいどんなものだろう、と興味が高まるにつれて、大学の学科も自然と決まっていきました。

 東洋の宗教について勉強した大学時代はとても楽しかったので、『狂骨の夢』には大感謝です。ただ、そんな学科に行っても、勉強をしても、京極堂や関口君、榎木津さんのような人には出会えませんでしたが……(おかしいなぁ)。

 シリーズを読んで、「不思議」と言ってしまう前に、物ごとの裏にある人の気持ちや事実はないか探してみよう、と思うことができました。そして自信あふれる男性への憧れもまた、手に入れてしまいました。大好きなのは榎木津さんですが、出てくる男性それぞれがとってもかっこいいのです。

「あなたの人生を変えた本は?」ときかれたら、真っ先に挙げたい1冊です。

(2014.07.15)

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