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いま誰もが気になる中国の大疑問

近いのに謎多き超大国・中国と日本はどう付き合えばいい?素朴な疑問から将来への危惧まで、中国の「?」に答える!

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11月8日に始まった中国共産党大会。胡錦濤体制から習近平時代への移行に向けた最終調整――舞台裏でくりひろげられた権力闘争は熾烈をきわめたようです。その帰趨はどうなっていくのか。尖閣諸島をめぐる日本との紛争はどうなっていくのか。反日気運の高まりのなかで日本人暴行事件が相次ぎ、またメイド・イン・ジャパンの自動車の売上げが急減するなど冷え込む一方の日中経済関係はどうなるのか。いまにも「戦争」が始まるかのような夕刊紙や週刊誌の大見出しはいささか行き過ぎにしても、権力構造の変革期にある中国が気になる国ナンバーワンであることは疑いない。本書『いま誰もが気になる中国の大疑問』は、改革開放路線に転じていながらも、肝心なところは「一党独裁」の厚いベールに覆われ不透明な「中国」という社会を、薄皮を一枚一枚はぐようにして裸にしていきます。それも平易な言葉で語ってくれているので、さながら中国入門百科の趣です。6章88の疑問に分けた構成が類書にはない、本書の大きな特長となっています。疑問の一つ一つが読者の知りたいことに沿ったものとなっていて、自分自身の関心や疑問に添い寝してくれているような気に自然となってくるから、面白いものです。たとえば、こんな疑問がたてられています。〈どんな人たちが「富裕層」と呼ばれているのか?〉最近ニュースの中にしばしば登場してくるようになった、この「中国の富裕層」について、日本人の多くがわかったようでわからないという感じを抱いているのではないでしょうか。いったい、どれくらいの収入を得ているのか? 資産はどれくらい持っているのか? 中国社会の中でどれくらいの割合になっているのか? 本書の解説を聞こう。〈改革開放路線による経済発展にともない、中国では豊かな人々が増えている。現在、衣食住に限らず、趣味や子供の教育にそれなりにお金をかけられる中産階級の数は、10~15%に達するとみられる。中国の人口を13億人とすると、1億3000万~2億人近くになるわけで、日本の人口以上の規模である。アメリカの金融機関メリル・リンチの予測では、10年後には3億5000万人にも達するという。(中略) ただし、この中産階級、「先富論」(引用者注=鄧小平が毛沢東の「均富論」に替わるものとして唱えた開放経済の基本理念。「貧しきを憂(うれ)えず、等しからざるを憂う」という考え方を重視した毛沢東が国や人民が豊かになることより、みなが平等であることを第一に考える「均富論」を提唱・実践したのに対し、鄧小平は「条件のよい人や地域から豊かになりなさい。そして、豊かになった者が全体を引き上げればよい」として、改革開放路線のベースに「先富論」をおいた)のもとで成長してきた中国では、一様に増えているわけではない。地域による格差が大きく、中産階級が多いのは、北京、上海、大連(だいれん)、広州(こうしゅう)といった沿岸部の大都市である。また、中産階級よりも、さらに豊かな富裕層と呼ばれる人も、すでに5000万人に達するとみられる(ただし、中国では、不動産、金融資産、現金などの個人資産を1000万円以上もっていれば、富裕層となる)。富裕層を職業別に見ると、とくに多いのは個人企業や国有企業の経営者である。国有企業では、石油や石炭といったエネルギー関連企業に多く存在し、経営者や役員はもちろん、従業員からも富裕層が生まれている。このほか、銀行、証券、保険といった金融関係や不動産関係、さらに最近では、外資系企業の従業員にも増えている〉ちなみに、物価、とりわけ生活必需品の価格が安く安定している中国では、月収5000元(約7万5000円)もあれば、そこそこの暮らしができるそうです。夫婦二人で働くのが一般的な中国ですから、夫と妻がそれぞれ3000元ずつの収入でも、合わせれば6000元になりますから、立派な中産階級の仲間入りができるというわけです。驚くなかれ、日本の人口を上まわる1億3000万から2億人の中産階級がいて、彼らは望めばお手伝いさんを雇うことも可能な経済力を持っているという。そしてさらに1000万円以上の個人資産を持つ「富裕層」が日本の人口の半分近い5000万人に達しているというのです。日本政府による尖閣諸島国有化に端を発した反日騒乱の際に、毛沢東の写真が高々と掲げられていたのが印象的でした。「反日」の根底には深刻化する「経済格差」への不満、怒りが潜在しているとも言われますが、こうした格差の実態を見れば、毛沢東の「均富論」に傾斜する民衆が増えていることも理解できます。とまれ、「政治経済から外交軍事、市民生活まで」と副題にあるとおり、「中国」を全方位から解剖した好著、日中一触即発の2012秋に必読の一冊です。(2012/11/16)
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