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視えるんです。 (1)

小さい頃にお化け団地で育った著者。半透明なおばけ乳母たちの英才教育を受け、お化けの世界を教えこまれたそうです。「幽霊ってホントにいるの?」とよく聞かれ、正直、「います」とははっきりいえないという。「いる」とは言い切れないけれど、視えて、聞こえて、話して…と三巳華さんの日常の中でごく自然にありうる風景を描いのが本作品。三巳華さんいわく、「自分はホラー好き=幽霊好きというわけではありませんが、幽霊達のみせる「人間らしさ」に、「怖い、悪い」だけの存在とは思えない部分があります。書くことで幽霊たちが浄化につながれば、という思いで描いています」。

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かわいい絵柄がミスマッチなホラーエッセイ漫画。わりと硬派な実録系が好みの私にとっては、表紙からして読むのに苦労しそうで気が進まなかったのですが…、いやいやどうして、けっこうイケる。ところどころに幽霊や狐様などのシリアスタッチの絵が挿入されているのですが、これが効果的で洗練された感じがして、なかなかツボにはまりました。そのカットが入ることで場面展開がわかりやすいんですよね。ポップな絵柄の割に一本調子じゃなく演出力もあって、最近人気の漫画家というのもうなずけます。内容も日常のよもやまごとのなかに幽霊やお化けを放り込んだ、食い合わせの悪いカップリングなのに、なぜかなじんでいるという新鮮さ。特に悪霊を祓う訳でもなく、土地の因縁を語る訳でもなく、日常と地続きで幽霊をいてもおかしくないものとして受け流してしまう。強引なオチをつけたりもしない。それでいて適度なアクションがあって食い足りなさがない。軽すぎず重すぎもしない、まさに怪談エッセイといっていい禍々しく楽しい作品。恐れ入りました。やっぱ、食わず嫌いは良くないですね。(2012/11/16)
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