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十二支考 (2)

柳田国男とともに草創期の日本民俗学を先導した“巨人”南方熊楠。十二支の動物をめぐって、東洋から欧米にわたる古今の典籍を駆使し、鋭い自然観察と自由闊達な文体でつづった空前絶後の博物誌。第2巻は、午(馬)、未(羊)、申(猴)に関する3編。

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1914年(大正3年)から1923年(大正12年)にかけて、雑誌「太陽」に連載された原稿をまとめた、在野の民俗学者・南方熊楠(みなかたくまぐす)の名著です。刊行されたのは第2次世界大戦後の1951年(昭和26年)。南方は1941年に死去していますから、そのちょうど10年後のことで、そのせいか、十二支のうち、「牛」の項だけはありません。さて、今年、2011年は「兎年」。全3巻の第1巻に、「兎に関する民俗と伝説」と題して、博覧強記の南方らしい考察が展開されています。洋の東西を問わず、兎は狡知に富む動物とみられていたようで、それゆえに兎を神とした人民が少なくなかった一方で、兎を悪兆とする例も多かったとあります。マセドニア(マケドニア)人は兎に道を横切られることを特に凶兆として、そうした場合旅人は徒歩であれ馬であれ、考えることなく旅を中断してその場で引き返したそうです。スコットランドやアメリカでも同様で、ギリシアのレスボス島でも兎を道で見れば凶、蛇を見れば吉とするそうです。またスウェーデンではメイデー(5月節日)に妖巫黒兎が近隣の牛乳を搾り取るという言い伝えが固く信じられていて、その日になると牛を牛舎に閉じこめて硫黄で燻べて牛舎をふさぐ風習があるそうです。傷ついた牛があれば、妖巫によるものとみなし、石で火を打ちかければ害が去るものと信じられたとのことです。じつは同じような伝説が南方の出身地、熊野の猟師の間にもあったそうで、南方も東西離れたところで似たような言い伝えがあったことを面白い現象としていますが、いずれにしても兎が黠智(かっち/悪知恵)に富んでいたことが悪獣と見られた一因だったようで、今年の干支「兎」も歴史をひもとけば、「かわいい」だけではない、民俗学的な姿があって興味はつきません。(2011/1/7)
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