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獣剣伝説

明治初期、北海道の大地で繰りひろげられる、巨大なヒグマと武士の血をひく若き狩人・真之助との息づまる死闘!剣を手にすれば鬼神のように強かった父を殺した、巨大なヒグマに復しゅうを誓った真之助は、10年の歳月をかけてヒグマを追い詰めていく!「獣剣伝説」他、ヒマラヤに墜落してひとり生き残った少年を描いた「神の娘」を収録。

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時代の変革期には、常に犠牲が出てしまうものなのか。『獣剣伝説』を読んで、まず、そう思いました。物語の舞台は、明治維新後の北海道。刀をクワに持ち替えた士族が、「開拓」の名のもとに過酷な環境に身を費やしていた頃です。やがて、士族……元サムライ達はアイヌの領域を脅かしはじめます。そんな時に人を襲って現れたのが、体長4メートルを越す巨大ヒグマです。士族とは一線を画す旧会津藩士の剣豪檜原東吾は、敢然と対峙しますがあえなく散ります。そして、息子の真之助は遺志をついで、巨大ヒグマを倒すことを夢見て、やがて巨大ヒグマと対決する日が訪れます。その激闘にしびれ、迫力に圧倒され続けました。そして、読了後にいろんなことを考えさせられました。サムライを廃業した士族。士族に圧力をかけられるアイヌ。戊辰戦争に敗れても刀を棄てられない、旧会津藩士。それらは、すべて時代の変革期の犠牲者なのかもしれません。巨大ヒグマの象徴する意味と合わせて、充分に堪能できました。(2011.6.26)
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